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学校と保護者は生徒を幸せにするための同志

管理職時代に発信していたことや、旧ブログに書いていたことなどを、毎日1本ずつこちらにまとめていこうかと思っています。

今回は、2018年の1月に花巻北高校のPTA会報に記載したものです。書体等少しだけ手を入れました。


(2018年1月 花巻北高校PTA会報より)

昨年の学年PTAで、ヘリコプターペアレントとカーリングペアレントの話をしました。ヘリコプターペアレントとは、子どもの上空で常に目を光らせ、子どもが嫌な思いをしたり、失敗しそうなとき舞い降りてくる親、カーリングペアレントとは、子どもの行く先の障害物を先回りして取り除き、子どもを誘導する親のことでした。

そうしたら、ある人から、ヘリコプターティーチャー、カーリングティーチャーというのもあるのではないかと言われ、なるほどと頷きました。

 

それは、子どもの学力はすべて自分の指導によるものと勘違いし、過剰に語り、すべて自分の掌で生徒をコントロールする教師のこと。そして、子どもの進路や考え方を、教師の思う方向に無理やり導こうとするというものです。

絵を描いてみました。カワイイでしょ。

だって、ヘリコプターペアレントもカーリングペアレントも、そして、ヘリコプターティーチャー、カーリングティーチャーも、実は、子どもをより良い方向に導きたいという愛が根本にあるからです。

 

子どものために先回りして手を打つこと、コントロールしようとすることは、子どもを傷つけたくない、もっと成果をあげさせたいという思いがあるからこそなのですね。

 

 

でもそれは「傷つくあなたは受け入れられない」というメッセージにもなります。

そして、そもそも、人は成果をあげるために生まれてきているわけではなく、成果を得るために発展していくことが、幸福を阻害するものであってはいけないのです。

子どもは学校と家庭を往復しながら、ワクワクしたり、不安になったり、ハッピーな気持ちになったり、そして時にやさぐれたりします。

 

学校と保護者は生徒を幸せにするための同志であるとともに、生徒をスポイルしてしまう共犯関係にもあるのかもしれません。

であるなら、子どもたちが幸せな高校生活を送るために、今こそ親と教師が絆を深め、叡智を集める対話の場をつくっていかなければなりません。それがPTA活動の使命なのだと私は思っています。