はじめに
先月(2026年6月)の話ですが、いつものように散歩をしていたら、面白い教具のアイデアがパッとひらめいて、家に帰るなりAmazonに素材を注文しました。その素材とは1辺2cmの立方体の角材です。100個入りのものを4袋注文しました。翌日届いたので、それらを225個ほど使って構想していた教具を作り、ポスターカラーで色を塗って昨日完成しました。
下写真のようなもので「しもまっちのΣ鍋敷きⅡ号機」と名付けました。
1998年に「Σ鍋敷き」という教具を作って2000年に行われたICME9(国際数学教育者会議)でも発表したのですが、その発展形です。
当時作った「Σ鍋敷き」は下写真のようなもので、セロテープをうまく貼り付け全体を一つにつなげています。4つの立法体がパタパタと平面に開いて「鍋敷き」にも活用できるとシャレたものです。
「Σ鍋敷き」はいろいろな人からネーミングまで含めてパクられたので(何と私に売りつけようとした人もいた)、今回は「しもまっちの」という冠を付けました。用途は無限、遊びながら発見的な学びができるのではないかと、ちょっと自画自賛しております。いくつかの遊び方を考えたので以下、簡単に紹介します。
個数を数えるために考えること
右図は、それぞれのパーツを上から見たものです。今1辺が2cmの立方体を単位キューブと呼ぶことにすると、右の図形には全部で何個の単位キューブがあるでしょう.1個,2個,・・・と数えるのはさすがにタイヘンですね。
そこで例えば、単位キューブが1個のものは2個、2個のものは4個、3個のものは3個などと単位キューブの個数によって分類してみると、1×2+2×4+3×3+4×6+5×5+6×8+9×1+20×5=225個です。
求めることはできましたが、計算が多くて間違えそうですね。
そこで、これを積み木としてコンパクトにまとめてみようという考えが浮かびます。できれば直方体になれば万々歳。タテ×ヨコ×高さの計算で個数を求めることができるからです。
アソビ感覚でやってみたら、下図(左)のような直方体ができました。
5×5×9 の直方体なので、225個であることがすぐにわかりますね。
すると今度は、別の直方体はできないだろうかという考えが浮かびます。ここで因数分解の登場だ!
225=5×5×9=5×3×15 から、5×3×15 の直方体ができるかもしれない。やってみる。できた!(下図右)
立法和と平方和の関係
実はこの教材はⅠ~Ⅴそれぞれに5色の異なる色が塗られていて、色ごとにまとめると、下の写真のように、それぞれを立方体にすることができます。今度はこれを全部バラして平面に広げてみましょう.225は15の2乗なので、1辺が15の正方形にすることが可能であることがわかります。
また、ⅠとⅡの立方体を平面に広げると1辺が3の正方形に、ⅠⅡⅢを広げると1辺が6の正方形に、ⅠⅡⅢⅣを広げると1辺が10の正方形にすることも容易にわかります。
これは,「立法和は自然数の和の2乗になる」という、高校の数列で習う内容を垣間見せてくれるものですね。
2項式・3項式の展開
下写真のようなピースを準備し、縦横をa×a , a×b , a×c などと考えることにすると、2項式、3項式の展開をイメージすることができます。
2項式の立方の展開
ちょっと無理がありますが、2項式の立法の展開もやってみましょう。ピースが足りないところは想像力で補ってください。
3:4:5の三角形からピタゴラスの定理を感じよう
3×3と4×4の正方形から5×5の正方形を作るパズルです。うまくできるかな。
3つの立方体から1つの立方体を作れるかな
3,4,5の立方和が6の立方(6の3乗)になるという面白い事実があります。
これをパズルにしたのが以下の写真です。できたときはちょっと感動しますよ。
おまけとして、素因数分解を考えて、下の写真のように長方形に広げることもできますね。
(オマケ)いくつかの素因数分解
以下に、いくつかの素因数分解を図形の並べ替えで考える例をあげておきます。皆さんもいろいろ考えてみてください。
3Σk(k+1)=n(n+1)(n+2)を実感
最後に、入れ子型の有名なΣ計算の式をこの教具で説明してみましょう。以下の写真をご覧ください。
実際に、並べて組み立てていくことで「納得感」が得られるのではないかと思います。

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