■ 4月19日(土)19.Apr(Sut)
【概況】
今回のウズベキスタン渡航でのJIS業務とは別に、もう一つの大きな仕事があった。それは、タシケント市内の私立学校の数学教員を対象としたセミナーである。この日、そのセミナーがJISを会場に開催され、定員20名を大幅に上回る30名もの参加者のもと、無事終えることができた。日本語とブロークン英語をちゃんぽんさせながら、ロシア語とウズベク語の翻訳を交えつつ、なんとか思いを伝えることができたように思う。それというのも、タシケントが誇る優秀な教員が集まってくれたからこそである。
■ タシケント市内数学教員セミナー
2時からほぼ100分の指数対数の模擬授業を行い、20分ほどのコーヒーブレイクをはさみ、日本のカリキュラムや教科書の説明と、2次関数を例にあげながら授業の進め方のポイントなどを1時間ほど説明した。最後に質疑応答があり、終了は6時半頃になった。最後に終了証にサインをして参加者に渡したのだが、そこもまた一人一人の写真撮影タイムになり、自分がすごい人になったような錯覚を覚え、勘違いするなよ、と言い聞かせていた。
日本が1974年を境に高度経済成長から低成長路線に変化したことを、国民所得とPC実動台数の変化から見える化した場面。これに伴い価値基準が変わっていったことや、現在のウズベキスタンの状況との関連性について話した。指数・対数が社会を分析するメガネになるという話で、これは参加者から拍手が起きるほど好評であった。
部屋に12桁の電卓があったので、それで2の何乗まで計算できるか(何ビットか)を推理し、その最高位から3桁を当てるという実験を即興で行った。2の38乗まで計算できて、最高位が274であることを対数表からバッチリ当てたら皆さん感心してくれた。
ギターのフレットの長さと指数関数についての説明。指数関数で作った音階(平均律)と、一次関数で音階を作った音階を実際に聴いてもらい、一次関数音階が奇妙に聴こえることを実感してもらった。
ロガリズムの言葉の由来を説明。大航海時代に精度の高い計算が求められたその背景には、ウズベキスタンの数学者ウルクベクの三角関数表の見直しがあったという話をしたら、拍手が起きた。
オウムガイの成長曲線が底が3の指数関数になることを利用して、即席でストロー笛を作ってドレミファの演奏した。
人間のカラダに対数フィルターが潜んでいる話をマッチ棒の例で説明。フェフィナーの法則である。
葉が通じない分、図解のスライドと身振り手振りで頑張る。
コーヒーブレイクタイムでも次々に質問や感想を話してきてその熱心さに心が打たれた。
終了証を持って撮影。総勢30名を超す参加者があった。
模擬授業が終わると先生方がどんどん集まってきて、次々写真をせがまれる。
とても優秀な高校生(9年生)が2名参加してくれた。
セミナー終了後、NGEAのメンバーから、慰労会ということでディナーに連れて行っていただいた。チョリソー駅近くのラグマンが評判のお店で焼きラグマンをいただきましたが。翌日からサマルカンドラウンドが始まる。
■ 4月20日(日)20.Apr(Sun)
【概況】
タシケントを午前中に発ち、サマルカンドに向かう。以後サマルカンド校での業務となる。
サマルカンド駅を降りたらヤスミンさんとジャスルさんが迎えに来てくださった。
学校近くのホテル内のレストランで食事
学校から遠い場所だがとてもよいアパートメントであった。
■ 4月21日(月)21.Apr(Mon)
【概況】
サマルカンド校では職員・生徒から大歓迎を受けた。日本型教育を意識して学校運営をしていて、私へのリスペクトも強く感じられた。毎週月曜に行っている全校朝会で生徒たちに挨拶を行い、その後1年生の授業(図形)、2年生のアートのSTEAM型授業、日本語の授業を連続で参観した。その後、突然6年生の授業をやって欲しいとの依頼を受け、ポリドロンを使った多面体の授業を行った。
放課後は生徒交流やホワイトボード問題の提供など席を温める暇もなく、歓迎の晩餐会もあり、初日から盛りだくさんな一日だった。
サマルカンド1日目ダイジェスト
■ 全校朝会
毎週月曜に全校生徒と全職員が一堂に会して集会を行っている。国家を歌い、前の週で顕著な活躍があった生徒を表彰するとともに、これからの1週間を充実させるためのモチベーションを高めている。この日は、科学サークルで活躍した5年生が表彰され、彼らが作った飛行機の模型のデモンストレーションが行われた。
■ 授業参観
1年生の図形の授業
6年生の日本語の授業
2年生のアートの授業。子どもたちの創造力を喚起する、まさにSTEAM型の授業であった。
■ 6年生の授業
JISに教材として提供するために、マグネタイズポリドロンを持ってきたので、それを使って遊びながら、最終的には、正多面体が5種類であることと、オイラーの多面体を展望するという内容で行った。生徒たちがとても積極的で、楽しそうに授業に参加してくれた。
模型を見ながら、多面体の面と頂点と辺の関係を探る。
■ その他
渡されたスケジュール表。私のモデル授業と、先生方の研究授業と、通常の授業参観の3つのパターン。
ロビーにホワイトボード問題が用意されている。今週は私が出題した。正解者には景品が渡される。
漢字のディスプレイなど、日本型教育を意識していることが窺える学校デザインになっている。
■ 歓迎の晩餐会
ベシバルマックは馬肉料理。ベシバルマックとは5本の指のこと
■ 4月22日(火)22.Apr(Tue)
【概況】
午前中は、3年生の立体図形の授業と、8年生の英語の授業を参観・参加し、ランチの後、本日のメインとして100分の8・9・10年生の合同授業と100分の職員研修を行った。そして2夜連続のディナー。職員のホスピタリティが伝わってくる。
■ サマルカンド校2日目のダイジェスト動画
■ 3年生の立体の授業
立体図形を言葉の説明だけでなく、観て、触れて、体験してという活動を通して、子どもたちのモチベーションを高め、定着を進めていく工夫があちこちに見られた。廃物を利用して様々な教具を作るなど、教科と子どもたちへの愛が感じられる授業であった。
■ 8・9・10年生の合同授業
1コマ目は2次関数と、その逆関数である無理関数の授業を行った。パチンコ玉とカーテンレールを使って水平投射の演示実験から入って、自然現象の中に2乗に比例する関数を見つけるところから始めた。これを距離から時間を決定するという逆関数を考えることで無理関数の説明へとつなげ、単振り子の実験なども行った。
2コマ目は方程式の授業ということで、身近な話題を取り上げながら方程式について説明や演習を行った。
■ 職員研修
前半は、日本の茶道と運動会について説明し、そこから日本の文化の根底にある精神について知ってもらった。2コマ目はSTEAM教育とは何か、STEAM教育と日本型教育について、ウズベキスタンの先生方の授業の紹介も交えながら話した。
■ 歓迎会
二夜連続の歓迎会。サマルカンドを代表するレストランに連れて行ったいただいた。やはりサマルカンドは世界的観光地。観光客がとても多く賑やかなところである。
■ 4月23日(水)23.Apr(Wed)
【概況】
■ 全校遠足
この日は全校遠足(0~1年は除く)。天気も最高で絶好の遠足日和であった。場所はサマルカンドから車で1時間30分ほどのところにあるteshik toshという山。teshikは穴、toshは石のことで、つまり自然に穴があいた石が点在する山という意味と思われる。有名な映画のロケ地になったとのことである。景色を眺め、用意してきた食材で大鍋を作って食事をしたり、子どもたちと対話したり、バレーボールをしたり、岩の上でヨガをしたり、とても楽しく過ごすことができた。先生と子どもたちと親睦を深め合ったとても有意義な一日であった。
■ 4月24日(木)24.Apr(Thu)
【概況】
この日の午前中は、3年生の立体授業への参加から始まり、9年生の授業、2年生のサイエンスの授業を行った。午後は急遽、5・6年の合併クラスで2時間授業が入った。もう唐突な無茶振りは織り込み済みである。子どもたちの顔を見ながら、その場でコンテンツを決めて、それを授業として展開できるように組み立てる。それは、これまでの自分の経験が試されているということだなと思い、その試練を楽しんでいる。
2年生のサイエンスでは鏡の面白さを味わってもらった。また、それぞれの授業では、手品、ロビー問題の解説、逆関数と無理関数、折り紙と数学、図形の面白さ、PISAの問題等々、様々な内容を扱いながら、生徒たちの習熟や興味関心などを探ることができた。
■ 24日の授業風景等(ショート動画)
■ 3年生の授業(立体図形)
私も一緒に参加し、立体図形を作りました。
■ 9年生の授業
振り子の実験から二次関数と無理関数の話や、反射神経測定器を使った活動など、関数の話を中心に行った。
■ 2年生のサイエンスの授業(鏡でアソブ)
■ 5・6年の合併クラスでの2時間授業
図形の応用問題にチャレンジしてもらいました。
オープニングは手品をしながら皆の様子を見ます。
折り紙で作ったハートを持って写真撮影
■ その他
サマルカンドでは授業を行ったり、授業に参加したりするだけでなく、いろいろな場面で子どもたちや先生方が私に声をかけてくれる。自分の時間がなくなる?いや、こうして人と触れ合い魂の交流ができることこそが自分の時間なのだと思う。
サマルカンド校ではSTEAM教育の一環としてチェスが必須科目になっている。
私の作ったロビー問題(懸賞問題)を解いてくれる生徒たち。
授業後には大規模な馬の飼育場に連れて行ってくれました。